![]() 時に西暦二〇〇三年師走、かつてティンカーベルという集まりで幼少時代より様々な地区へと出かけていたRyuは、 沖縄北部、名護でスローライフを送っていた。南方の旅に出た際に強く惹かれたこの沖縄に根を張り、ここを訪れる 人々に沖縄の自然を案内することで生計を立てていた。美しい自然と島時間、そして素晴らしい仲間たちに囲まれて、 Ryuは日々を満喫していた。 この沖縄のことをより広く知りたい。そして島々に住む各地の人々と接し、風土や自然に触れていきたい。 そう常に思っていたRyuであったが、今の生活は限られた地域からしか沖縄を見なくなっている事に気づき、様々な冒 険の旅を行っていたかつての自分を思い出した。「地図で見れば小さなこの沖縄。しかし有人島は四十程度、そして市 町村は、五十余り。各地区毎にそれぞれの色や空気があるはずだ。果たして自分はそれらの半分でも触れているだろ うか?」そう考えると、再び旅に出る気持ちにならずにいられなくなったRyuは、二〇〇四年からの沖縄全島全市町村訪 問の旅へ出発する決意をした。北から南まで訪問し、全角度から見聞することで沖縄を再発見し、その中の名護、やん ばるの色や空気を再確認することができるはずだと信じ、名護黄門の旅が始まる。 名護黄門の旅は水戸黄門と同じく、沖縄各地をめぐってはその地区の人々と接し、風土や文化を感じつつも八兵衛さな がらに名物料理に舌鼓を打つ旅となる予定だ。逆に相違点は、予算とスケジュールの都合上、旅を地区ごとに細かく分 け数年かけて全地区をコツコツとまわる点と、悪事を成敗する旅ではなく、自己満足といえる自由な旅という点だ。 旅を行う一行は、「名護のちり拾い問屋の琉衛門」を名乗るRyuの他、沖縄ティンカーベルの仲間達や沖縄を再発見した いと考えている人々からなる。 いざ琉球行脚へ! |