琉球道中記>本部町編

春近き日差しに心躍る旅

 いつもは、無料ゾーンしか行かないのだが、今は海開きも行われていないので、行ったことのない有料ゾーンへといってみることにした。さすがに浜には誰もいないが、引き潮だったので海には海人(ウミンチュ)たちが数人で魚をとっているのが見える。そういえば、この瀬底ビーチでは夏休みのピークを越えた9月頃の平日に行けば、色とりどりの魚をみて感激している観光客と、そのすぐ横でそんな魚達を銛で突いて捕獲する海女さんたちとの、なんともいえないコントラストを目にすることがある。同じ魚でもその存在感は全く違うのだ。


砂浜に咲く菜の花

塩川の流れ

モンパの木の下で喜ぶRyu

天然記念物にご機嫌のうおちゃん

 しばらくビーチ周辺を散策し、瀬底島を後にした。今回は茶屋へ寄るかわりに塩川の芝生広場でおやつを食べようと思い、本部のマックスバリューに立ち寄っておやつを調達した。その後、2人は塩川へと行くために名護方面へと向かった。塩川は、その名のとおり塩分のある水が流れる川で、名護との境目付近にある。塩川の入口もとても地味で控えめなのだが、実は国指定の天然記念物にもなっている。川の紹介は看板にもわかりやすく書かれているが、このような特徴を持つ川は世界で二つしかないのだそうだ。といってもやっぱりインパクトにかけるのだろうか、実にひっそりとした場所である。しかし、このように地味だからこそ塩川の水は今も美しく、ゴミも少ないのであろう。しかし、この塩川のすぐ裏は石灰を採掘するために大きな山を壊しているので、ある日塩川がピタッと枯れてしまうのではないかと心配にもなるのであった。
 
川が囲む芝生広場で二人はおやつにした。青空が美しく、爽快な空気におやつのシュークリームと、駄菓子「キャベツ太郎」がますますおいしく感じられた。芝生広場には立派なモンパの木もあり、夏場にはいい木陰を作ってくれそうである。川の見た目は上流域のような雰囲気だが水は確かに塩辛い。そして岩から染み出る水源そばの淵にはボラのような魚達が棲んでいる。確かに他では見られない不思議な光景だ。
 
も傾いてきたので、今回は帰ることにした。時間にして3時間程度の旅だったが、久々の晴れを楽しむことができ、本部町の目立たない一面を味わえた時間だった。沖縄北部については日頃から立ち寄ることが多いので、本部の他のスポットを旅することがあれば、この続編も掲載したいと思う。なにはともあれ、この旅により名護黄門で1町3村を訪れた。いいペースのようだが、実際はかなり制覇までは時間がかかりそうだ。

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