琉球道中記>やんばる三村編

旅は山原(やんばる)路から始まった

 七滝を後にし、一行は一路国頭村へと入った。国頭村は沖縄本島最北端の村であり、やんばるの中でも最も深い自然が残っている。またウンジャミやシヌグといった伝統行事も今に残る、昔ながらの沖縄が色濃く残る地区である。


やんばるの島酒を嗜むユミと和子

茅打ちバンタにて

怖いもの知らずの3人

辺戸岬に到着の黄門一行

 国頭村の南の入り口、奥間にある道の駅「ゆいゆい国頭」でひとまず下車し、休憩することにした。ここには、数々の民芸品や工芸品、お土産や食材まで、国頭村の多くの特産物が置いてあった。昼食前ということで、泡盛の試飲コーナーを食前酒として利用する仲間たちの姿も見られた。
 今日の道の駅付近は人の姿は目立つのだが、不思議なことに気配がしない。農作業姿の村人達は皆動かない。よく見ると(どう見ても)、かかしではないか!次の週からこの国頭村で「かかし祭り」が行われるので、その宣伝をかねたかかしのようだ。かかし祭りは去年から始まったもので、いろいろなユニークなかかしが登場するようだ。時間があれば是非また国頭村に来て見たいと思うRyuであった。
行は更に北上を続けた。だんだん民家は少なくなり、切り立った断崖と大海原の景色が続いた。その景色は名護から大宜味までのものとは違う、雄々しい景観だった。やがてその断崖を一行の車は登り続け、茅打ちバンタにたどり着いた。ここは高さ70メートルに達する断崖で、「茅を投げ込むとそれを吹き上げるほど風が強い」ということからこの名前がついている。とはいうもののこの日は風も穏やかで、茅打ちバンタからの景色をゆったりと堪能することができた。しかし、ここでさなえが高所恐怖症ということが発覚。柵の側には近づくことはできなかった。たしかにものすごい断崖で真下の海は綺麗だが、吸い込まれてしまいそうな高さである。しかしユミとうおちゃんと和子はそんなこともお構いなしに、柵の端の先端まで行って下を見下ろしている!Ryuもさすがにこれはできなかった(良い子のみんなは決して真似しないように)。それにしても見事な景色だった。さらに空気が澄んでいる日に訪れれば絶景が期待されるであろう。
 茅打ちバンタから程無くして一行は沖縄本島最北端、辺戸岬に到着した。雲の多い日ではあったが、他の旅行者も多く、岬の向こうには鹿児島の与論島も見えた。いずれは与論島や奄美といった島々にも名護黄門として旅をしてみたいものだとRyuが思いを馳せていると、ユミと和子は他の若い旅行者が岬先端の岩場まで歩いて行って写真を撮りまくっているのに触発され、岩場で少女に返っていたが、さすがにそれ以上の冒険はしなかった。もしリポビタンDがあれば、2人はさらに先に行ってたといっても過言ではない。名護黄門の今後の旅において、くの一となり得る素質を垣間見せた2人だった。
岬の下には美しい珊瑚礁が広がり、海が岬からかなり下であるのにもかかわらず魚達が泳いでいるのが見えた。この海を潜ると実に美しい景色が広がっているんだろうと皆で思いを馳せるのであった。

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